1978年度~1979年度に日本会計研究学会に会計史に関する特別委員会が設置され,そのときのメンバーである泉谷勝美・小倉栄一郎・小島男佐夫・白井佐敏・高寺貞男・辻厚生の諸氏により,日本会計史学会設立の準備が進められた。
1981年6月に大阪において日本会計史学会設立準備委員会が設立され,同年9月には81名からなる発起人会が結成された。そして,1982年6月2日に日本大学(経済学部)において設立総会が開催され,日本会計史学会は会員数177名で発足した。同学会の初代会長には小島男佐夫氏が就任し,事務局は大阪市立大学商学部(平林研究室)に置かれるとになった。
日本会計史学会の目的は,同学会の会則によれば,「会計史研究を推進することを目的とする」(会則第2条)とされ,また,会員資格については,「会計史の研究・教育にたずさわるものは,理事会の承認をへて,本会の会員となることができる」(会則第4条第1項)と規定されているように,会計史の研究と教育に携わる者であれば誰でも入会できるように広く門戸を開放している。
また,同学会の会則によれば,上記の目的を達成するための事業の一つとして,「毎年1回の大会,および必要に応じて研究部会における会員の研究発表,ならびに討議」を行うものとされる(会則第3条第1項)。設立総会以降の大会の日程と開催校等については,下記のリンク先を参照されたい。なお、第39回大会は、2020年初頭より拡大した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響によって、本学会初のオンライン大会となった。
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学会の役員については,1982年度の設立当初から1997年度に至るまでは,その選出にあたり,会長・評議員(後に理事に改称)・幹事・監査委員(後に監事に改称)を役員推薦委員会で選考し,その結果を会員総会で承認を得るという方式で行われていたが,1999年度からは大会期間中における選挙により会長・理事・監事を選出するという方式に変更された。
日本会計史学会は,年に1回,『会計史学会年報』を刊行している(1998年度末で第17号まで刊行)。同年報は,編集委員会によるレフリー制度をとり,内容の充実を図っている。また,年報各号掲載の研究論文には必ず英文のサマリーを付すことを義務づけている。
さらに,日本会計史学会は,1985年に学会の初代会長であった小島男佐夫氏からの寄付金を基に「日本会計史学会賞」を設けている。このために,「日本会計史学会賞規程」が設けられ,それに基づいて学会賞審査委員会が設置されている。
日本会計史学会では,国内のみならず,諸外国の会計史研究者との交流もその目的としており,その一環として,1992年8月20日~22日に,当時の会長辻厚生氏を準備委員長として,同学会主催の下で,第6回の「会計史世界会議」(World Congress of Accounting Historians) を京都(会場:都ホテル)で開催している。第6回会議のテーマは「現代会計の史的研究―伝統と革新:21世紀に向けて」であり,参加国は10か国,参加者は201名(うち日本人119名,外国人82名)であった。なお,同会議における研究報告のうち,14の論文を選んで,Studies in Accounting History: Tradition and Innovation for the 21th Century (edited by S.P. Garner and A. Tsuji), Greenwood Press, 1995 が出版されている。